| 金光図書館には、182体の井上式元祖博多人形が保存されている。
この人形群は、現在のような博多人形ではなく、日本の歴史を学ぶ上での視聴覚教材として作られたものである。金光教小倉教会初代教会長桂松平は、明治後期から大正初期にかけて、金光中学(現在の金光学園)に学ぶ生徒たちのために寄贈された。
この博多人形は、井上清助によって命名され、当時としては一流の学者20名の考証を仰ぎ、時代ごとの服飾や風俗を正確に人形へ反映させている。
井上清助が、元祖博多人形を通して、人形の改良に力を注いだことにより、博多人形は、芸術品、装飾品としての価値を世間に認められることになった。
元祖博多人形の記録や伝えは数多く残されているが、実物が本館のようにまとまって保存されている例は少なく、博多人形の歴史をたどるうえで大変貴重なものである。

元祖博多人形後期の作品。 頭部が大きくなり、現在の博多人形に近づいていることが見受けられる。
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